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M.E.I.S

CASE

技士1名で約100台を管理した──開発者自身の運用事例

M.E.I.Sの開発者が勤務していた中規模病院ME室での運用実績。臨床工学技士1名で約100台の医療機器を管理しました。

更新日

施設名は公開していません。運用規模と業務内容のみを記載しています。

概要

項目 内容
施設 中規模病院 ME室
管理機器数 約100台
体制 臨床工学技士2名(うち機器管理の実務担当は1名。もう1名は臨床業務が主務)
運用開始 2024年10月(β版より)
利用機能 台帳・点検記録・点検履歴・トラブル報告・貸出返却

この事例は、M.E.I.S の開発者自身が勤務していた施設のものです。

導入前の状況

台帳はExcel、点検記録は紙

機器の一覧はExcelで管理し、点検記録は紙の点検表に記入してファイルに綴じる。多くの施設と同じ、標準的な運用でした。

問題は、この2つが切り離されていたことです。

機器の情報を見るにはExcelを開き、その機器の点検履歴を見るには保管棚からファイルを出す。「この機器、前回いつ点検したか」を確認するだけで、席を立つ必要がありました。

「以前も同じトラブルがあったか」が分からない

病棟から機器の不具合について相談を受けたとき、過去に同様の事例があったかを確認する手段が実質的にありませんでした。

日誌に記録は残っていても、日付順に並んだ記録から特定の機器の分だけを拾い出すのは現実的ではありません。結果として、毎回ゼロから原因を探ることになっていました。

実務担当が1名であることの制約

ME室には臨床工学技士が2名在籍していましたが、うち1名(開発者)は臨床業務が主務で、機器管理の実務を担当しているのは実質1名でした。

この体制では、記録の整備に時間を割く余裕がありません。点検自体は行っていても、記録を後から活用できる形に整理する作業は後回しになりがちでした。

既製品の導入は見送った

市販の医療機器管理システムも検討しましたが、導入コストが施設の規模に見合いませんでした。

月額数万円のシステムを導入するには稟議が必要で、直接の収益につながらない機器管理への投資は、承認を得るのが難しいのが実情でした。

開発の経緯

既製品が導入できないなら、必要な機能に絞って自分で作る——という判断で開発が始まりました。

開発者自身も臨床業務の空き時間などに機器管理を行っていたため、機器管理の担当者と検討を重ね、実際の業務で困っていた点がそのまま開発の要件になりました。

  • 機器の前で、その場で記録を入力したい
  • 過去の履歴を、機器を起点に呼び出したい
  • 点検項目を、自施設の運用に合わせて組みたい
  • 複数台を並行して点検する流れを、そのまま記録に反映したい

M.E.I.S の開発は、「現場でこうしたい」から始まりました。

運用の実際

点検記録

日常点検・定期点検ともに、タブレットからその場で入力していました。

紙の点検表への記入と、ME室に戻ってからの転記作業がなくなりました。測定値をその場で入力するため、転記時の書き写しミスも発生しません。

複数台を並行して点検する場面では、マルチウィンドウ機能を使用していました。輸液ポンプの流量測定など待ち時間の発生する項目があるとき、その時間を別の機器の点検に充てられます。

点検項目の設計

点検項目のカスタム作成機能で、機器種別・型番ごとに点検内容を設定していました。

既製品を導入していれば、システムの固定フォーマットに運用を合わせる必要があります。項目を自由に設定できるので、自施設で実際に行っている点検を、そのままシステムに移せました。

また、数値入力の項目には基準値の上下限を設定できます。測定値が範囲を外れていても、気づかずに「OK」にしてしまう…そんなことも、たまにはあると思います。M.E.I.S では、範囲を外れるとその場でアラートが表示されます。見落としに気づくのを、人の注意力ではなくシステムが助けてくれます。

トラブル対応

トラブル報告機能により、機器ごとの不具合履歴を参照できるようになりました。

これまではトラブル報告を受けても、再現性の乏しいものなどは「ちょっと様子見ましょうか」で終わっていました。

担当が変わったり、記憶から抜けていたりすると、何度も「ちょっと様子見」が続いていたと思います。

M.E.I.S を導入してからは、機器の前でその場で過去の履歴を確認できました。同じ機器で繰り返し発生している事象にその場ですぐに気づけるようになったことが、導入前との最も大きな違いです。

貸出・返却

2025年2月に貸出・返却管理機能を追加しました。

機器の出入りが多くない施設だったため、紙への記載で運用していました。

しかし、記載がずれたり、漏れていたり…所在がわからなくなることが度々発生していました。

この機能を実装してからは、PCで履歴を管理することが可能になり履歴を追う作業も簡単になりました。

運用を続けて分かったこと

記録の価値は、後から出る

導入直後は、記録が蓄積されていないため恩恵を感じにくい状態が続きます。

意味を持ち始めるのは、数か月分の履歴が溜まってからです。「前回の測定値と比べてどうか」「この機器は過去にトラブルがあったか」という参照ができるようになって、初めて記録を残す意味が実感できます。

1名体制でも回せた

機器管理の実務担当が1名という体制で、約100台の管理を続けられました。

記録の入力にかかる時間が短縮されたこと、過去の情報を探す時間がほぼなくなったことが要因です。人が増えなくても、管理できる範囲は広がるというのが実感です。

現場で使いながら直せた

開発者が利用者でもあったため、使いにくい点はそのまま改修に反映されました。

貸出・返却機能の追加も、点検項目の設計自由度も、実際に使う中で必要性が分かったものです。この距離の近さが、開発者自身が現場で使っていたことの強みだったと考えています。

この事例の位置づけ

この事例は、1施設・小規模での運用実績です。

大規模病院での運用や、複数施設での同時展開について、実績はありません。また、3省2ガイドラインへの準拠が求められる環境での運用実績もありません(セキュリティと安全性を参照)。

紙やExcelでの管理から次の段階に進みたい小〜中規模の施設にとって、参考になる事例と考えています。


同じような課題をお持ちの施設は、2週間の無料トライアルでお試しください。自施設の点検表を再現できるか、実際に確かめていただけます。